takegrigriの今昔物語

団塊世代のじじぃが昭和時代から見てきたことを書いています

オリンピックのメダルがオークションに!

2020年の東京オリンピックまであと1年となりました。
オリンピックの話が出るときに、「友情のメダル」の話が取り上げられることが時々あります。

「友情のメダル」は、1936年のベルリンオリンピックの時の話です。
ベルリンオリンピック棒高跳びで西田選手と大江選手が同じ記録であったのですが、ルールに則りそれぞれ2位、3位に順位づけされました。しかし、記録としては同じ記録なので、帰国後に二人は相談し、銀メダルと銅メダルを半分に切って銀メダルと銅メダルのそれぞれの半分を接着剤でくっつけたという実話です。
もちろん団塊の世代の僕が生まれるずっと前のことです。

僕がこの話を知ったのは何かの雑誌に書いてあるのを読んだからだと記憶していますが、この話が一般に知られるようになったのは新聞記事が発端とのことです。

話しは変わりますが、僕が高校生から大学生(1964年~1972年)の頃のテレビ番組で「あなたの善意を」というものがありました。
この番組は有名人が自分の私物を提供して、それを欲しいと思う人が電話で購入金額を伝え、一番金額が高い人がその品物を落札するというオークション番組で、そのお金が慈善事業に寄付されるというものでした。

司会は小島正雄でした。小島正雄は当時音楽評論家(特にジャズ)として有名な人で、ラジオでディスクジョッキーもやっていました。
ディスクジョッキーといっても今のDJとは違い、自分でレコードを選んでラジオで曲を流すとともにその曲や歌い手のうんちく、あるいはそれに関連した社会事情などを喋るものでした。

小島正雄で特に印象に残っているのは、ラジオの番組でサイモンとガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス(The Sound of Silence)」を「沈黙の響き」と訳して、「なんと美しい曲名なんでしょうか!」と感嘆していたことです。
僕は当時「サウンド・オブ・サイレンス」を「無音の音」とか「静寂の音」と自分で勝手に訳していましたが、それがどういうことを意味するのかも分からなかったので、英語が堪能な小島正雄の訳を聞いて「あぁ、そういう風な訳をするのか!」と感心したものでした。でも、それでも意味は僕にはまったく分かりませんでした。
後年英語歌詞を見ても、歌詞の意味するところは分かりませんでしたし、今でも良く分かりません。

この「あなたの善意を」というテレビ番組に「オリンピックのメダル」が出てきました。
僕は、本当にこれをセリ(当時はオークションという言葉を知りませんでした)に出して良いの?と驚きました。
当時の僕の家のテレビはまだカラーテレビではなく白黒テレビだったので、「オリンピックのメダル」をテレビを通して見たとき正直言ってそれほどきれいなものには見えませんでした。

この「オリンピックのメダル」がなぜ出品されたかの説明もあったと思うのですが、僕の記憶にはそれが残っていません。

僕の記憶では、この「オリンピックのメダル」は当時のお金で10万円以上の金額で落札されましたが、落札者の方が電話口で「このメダルは他者が持つものではなく、ご本人(ご家族といったかもしれません)がお持ちになるべきなので、そのままお持ちください」と言って「オリンピックのメダル」を受け取りませんでした。落札者は、この「オリンピックのメダル」が他者に渡るのを防ぐために頑張って落札したというようなことも話されていた記憶があります。
僕は、10万円以上も出してこの「オリンピックのメダル」を所有者本人から他者に移るのを防いだ方に感動しました。こういうお金の使い方ができるのかと。


この「あなたの善意を」という番組でよく落札するのは芦屋在住の人でした。芦屋は関西人憧れの超高級住宅地です。
父と「やっぱり芦屋の人はお金持ちやなぁ」と話しながら見ていたものでした。
ただ、この「オリンピックのメダル」の落札者が芦屋の人であったかどうかは憶えていません。

僕の中では、この「オリンピックのメダル」が「友情のメダル」であったという記憶があるのですが、今考えると本当にあったことかなと首をかしげてしまう話ですし、インターネットを調べてもそういう記事は見つけられませんでした。
もし、僕の間違った記憶であるならご指摘いただければ有り難いです。