takegrigriの今昔物語

団塊世代のじじぃが昭和時代から見てきたことを書いています

洋楽が好きだった

音楽的能力がない僕でしたが、音楽を聴くのは好きでした。
謡曲(今ではこの言葉はほとんど使われなくなりましたね)も好きでしたが、洋楽は特に好きでした。
小学校5、6年生ぐらいから中学生頃のテレビ番組で洋楽を中心にした「ザ・ヒットパレード」(Wikipediaによると放送は1959年~)はよく見ていました。この中で歌われる洋楽は英語の歌詞を直訳の日本語にして歌っていたので、歌詞の意味もよく分かり僕たちも歌いやすいものでした。
この番組で坂本九ジェリー藤尾中尾ミエなども知りました。
ザ・ヒットパレード」で坂本九が歌う「悲しき60歳(Ya Mustafa)」(1960年)や「ステキなタイミング(Good Timin’)」(1960年)が好きだったので、坂本九のファンになりました。僕が最初に買ったレコード(ドーナツ盤)は坂本九の「明日があるさ」(1963年)でした。
このころは原曲をだれが歌っているかは知らず、日本の歌手が歌っているのを聞いていただけですが、その後中学生になったころ(1961年~)ラジオでいろいろな曲を原曲で聞くようになりました。

そのきっかけが「ザ・ベンチャーズThe Ventures)」でした。歌詞がない演奏だけの楽曲でしたが、クラシック以外で歌詞のない洋楽を聴くのは初めてなので斬新な感じがしました。「インストゥルメンタル(Instrumental)」という言葉はこの時初めて知りました。
ここで、「歌詞のない洋楽を聴くのは初めて」と書いたのは、当時「歌のない歌謡曲」というラジオ番組があって、この中で演奏だけの歌謡曲を放送していたからです。

ザ・ベンチャーズは日本にエレキギターブームを起こしましたが、当時エレキギターを持っている人は不良だなどという風潮でした。僕はエレキギターを弾ければかっこいいなぁと思っていましたが、僕の音楽的能力ではとても無理だと思って手を出せませんでした。

その後、このザ・ベンチャーズを上回る大きな波が来ました。「ザ・ビートルズThe Beatles)」です。
中学3年生の時(1963年)テレビの海外ニュースに映されたビートルズの公演は衝撃でした。観客(特に女性)が絶叫しているのです。音楽を聴きに来て絶叫する人がいるなんて初めて見ました。失神して係員に運び出される女性客も映し出されていて、こんなことがあり得るのかとまさに衝撃を受けました。
ただ、日本でも「日劇エスタンカーニバル」での熱狂はあったようですが、僕は見ていません。

ラジオでビートルズの曲を聴くと斬新で、力強く、優しく、メロディアスで、こんなすばらしい音楽があるのかと感激しました。
それからはずっとビートルズにはまりました。ビートルズが出す曲すべてが素晴らしくずっと聞いていても飽きませんでした。
高校2年の時(1965年)学園祭で放送部がステレオコンサートを開催し、全曲ビートルズのレコードをかけるというので大勢の生徒が詰めかけました。
学園祭なのでいろいろなイベントがある中でもかなり多くの生徒が集まりました。
当時、自分の家にステレオ装置を持っている家庭は少なく、僕の家にもラジオやテレビはありましたがステレオはありませんでしたので、ステレオでビートルズが聞けるのは大きな楽しみでした。
学園祭の2日目もステレオコンサートをやるというので、大勢の生徒がビートルズを聴くために集まりました。しかし、主催の放送部が「昨日ビートルズをかけましたので、今日はビートルズではなく他のレコードをかけます」といった途端、ほとんどの生徒がその会場を後にしました。僕もそうしました。
それほどビートルズの人気は高かったのです。

そのほか、僕はファルセットを使う曲が好きでした。
「フォーシーズンズ(The Four Seasons)」や「ビーチボーイズThe Beach Boys)」などの曲を好んでよく聴いていました。
フォーシーズンズは「シェリー(Sherry)」で初めて知りましたが、「フランキーヴァリ」の独特の高音やハーモニーが素晴らしく日本の歌手たちが歌う「シェリー」とは別物のサウンドでした。
「カモン マリアンヌ(C'mon Marianne)」という曲のレコード(ドーナツ盤)を買いました。

ビーチボーイズも軽快なリズム、サウンドとコーラスがどの曲も素晴らしく、特に「バーバラアン(Barbara Ann)」が好きで、レコードを買ってこの曲だけ何回も聞いていました。

大学に入って(1968年)から、軽音楽部にいた先輩が教えてくれたのが、「シカゴ(Chicago)」と「レッド・ツェッペリンLed Zeppelin)」でした。
「シカゴ」はロックにブラスセクションを加えた形式でブラスロックと言われていました。ブラスを加えたことでエレキギターだけではない独特のサウンドで代表曲の「長い夜(25 or 6 to 4)」は良く聴きました。
「レッドツェッペリン」はアルバム「レッド・ツェッペリン登場(LED ZEPPELIN)」を先輩に聞かせてもらいましたが、「ビートルズ」とは違う力強いサウンドで今から思うとこれぞロックという印象でした。ただ、僕には「レッドツェッペリン」を長く聴き続ける体力がありませんでした。

その後プログレッシブロックといわれる「ピンクフロイド (Pink Floyd) 」に興味を持ちました。激しいロックよりも好みに合ったのかもしれません。

社会人になって安物ですが自分のステレオ装置(カッコよく言うと、オーディオシステム)を持ちました。
これを機会に、ピンクフロイドのアルバム「炎〜あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)」(1975年)や、以前に発売されていて僕が注目していた「クリーム(Cream)」のアルバム「クリームの素晴らしき世界(Wheels of Fire)」(1968年)なども購入しました。
また、「カーペンターズ(The Carpenters)」や「スリーディグリーズ(The Three Degrees)」などのLPレコードも買いました。これらは妻の好みの音楽でしたが僕も好きでした。

その後、「エアロスミスAerosmith)」にも一時はまり、アルバム「飛べ!エアロスミス(Get Your Wings)」と「闇夜のヘヴィ・ロック(Toys in the Attic)」を購入しましたが、やはり聴き続ける体力がなく2年ぐらいで聞かなくなりました。

その後ステレオ装置のアンプが故障してしまい、レコードプレーヤーもスピーカーも処分してしまいました。
これ以降、新しい洋楽は聴かなくなってしまいました。

定年退職してから再び安物のステレオ装置を購入し、今聴いているのは、「ビートルズ」「ビーチボーイズ」「フォーシーズンズ」「イーグルス(The Eagles)」「エリッククラプトン(Eric Patrick Clapton)」などになっています。僕の懐メロです。

ビートルズ」は赤盤、青盤のレコードがリリースされたのですが、当時の僕の好みの曲が赤盤だったので赤盤だけ購入して、青盤は購入しませんでした。
今は青盤の曲のほうが好みなので青盤を購入しなかったことを後悔していますが、現在レコードプレーヤーを持っていないので、今更青盤を買うこともありません。
ザ・ビートルズ1+」は購入しましたが、まだ封を切っていません。これも、Blu-ray版があるのを知らずDVD版を買ってしまったので後悔しています。

少し前に、フォーシーズンズを描いた映画の「ジャージーボーイズ(Jersey Boys)」をテレビで見たのですが、フォーシーズンズの成り立ちを知ることができ、また懐かしい曲の数々も聴けて楽しい時間を過ごせました。
それにしても、フランキー・ヴァリと同じような背格好で同じような高音を出せる役者がいるなんてアメリカのショービジネス界はすごいと思いました。