takegrigriの今昔物語

団塊世代のじじぃが昭和時代から見てきたことを書いています

傘がない

今日は一日雨模様だそうです。
雨の日にちなんで今日は傘の話を書きます。

「傘がない」
僕らには懐かしい井上陽水の歌です。
地方で下宿していた学生時代(1968年~1972年)、本当に傘を持っていない先輩がいました。
今なら一人で何本も傘を持っている時代ですが、当時、傘は一人一本が普通でした。
僕は貧乏学生でしたので、傘は自宅から下宿に持っていきました。

今みたいにコンビニで傘を売っている時代ではありませんでしたし、また、当時の傘は結構高かった。
当時でも普通の傘1本が千円ほどしました。
傘を買うお金で何日間かの食事がまかなえました。学食(学生食堂)だけで過ごすなら、1日3食で計320円で食べることができたので、千円あれば3日間の食事が確保できた時代です。(この頃の学卒の初任給は額面で4万円ぐらいでした)

傘を持たない先輩に言わせれば、無理やり雨の日に外出する必要がほとんどない学生が、わざわざ傘を買うなんてというわけです。
その先輩は、雨のときは授業を休むと言っていました。
「雨の日にわざわざ聴きに行く価値のある講義なんかないだろう」とも言っていました。
テストのときが雨だったらどうするんですかと聞いたら、「新聞紙を頭に乗せて学校まで走って行く」と言って下宿の部屋の片隅に積まれている新聞紙を指さしました。
まあ、地方の大学だったから、下宿から学校まで歩いて5分から10分ぐらいなので、それは可能なことでした。

それより、傘を買わなくても新聞は購読しているという学生気質とか価値観が今とは大きな違いかなと思います。